« 車座って何だ? | トップページ | 白犬はいかにして黒犬となるか? »

2016年6月 9日 (木)

足袋と職人

今日の絵

Img195_2

狭山ケアセンター

  老人介護施設ケアセンターに行きました。例によって、私は手品と紙切り、話し相手。私は月に1回しか行きませんけれど、待っていてくれる人もいる。

足袋と職人

  昔、『訪問者たち』という随筆集を出版したとき、その巻頭に書いたのが「旅と職人」という、随筆というか、エセーというか、ま、そういう文章だった。今回は「タビ」は「タビ」でも「足袋」の方である。
  私はいくつかの職種をごく短い期間に転々と変わり、16歳の秋、琴職人の見習いになった。そこで教えられた先輩職人の言葉に、「職人は身分は低くても、どんな人のお屋敷にだってうかがわなくてはならない。そんな時、汚れた足袋で畳の上を歩くようではいけない。継ぎは当たっていてもいいから、いつもきれいな足袋を履いていろ」というのがあった。
  そんなわけで、仕事中は足袋を履いていた。家でも足袋を履くことが多かった。何時も奇麗だったかどうかということになると、いささか疑問がある。
  足袋となればその下に履くものは下駄か草履である。職人だから雪駄という手もあるのだが、あれは主として私より前の世代のもの。下駄も私は好んで履いたが、道が舗装されているので、履いて快適というわけにはいかない。鼻緒付き草履型のサンダルを愛用するようになった。
  私が履いたのは、高齢の建築職人が好んで履いたサンダルである。
釘などを踏んでも柔らかいサンダルの裏に吸収してしまい、その足で板張りの床を歩いても、床を傷つけることがないすぐれものである。ところがそのサンダルは、道を歩けばサンダルが小石を吸収してしまう。だから時々サンダルから釘や小石を穿り出さなければならないという欠点はあった。でも、履きやすいんだよね。

  私は職人を離れて18年。足袋を履くことはなくなりました。いつも靴下です。しかしサンダルは昔ながらの物を履いています。靴は山に行ったり遠くに出かけたりする時のしか履きません。
  しかし、そのサンダルがなかなか買えなくなりました。どこの履物屋でも置いていないのです。今は建築現場の人も、靴下と靴でしょう。建築現場でも、正式な履物は靴で、サンダルなどは認められていないのだろうと思います。釘や異物を吸収してしまうサンダルがあったことなど、誰の意識にも上がらないのでしょう。
  おかげで私は、自分で履くサンダルを見つけるのに苦労をしています。

気になる俳句

 たくはへて自ずと古りし梅酒かな 松本たかし

ぼんくら俳句

   膝痛に山行どうする冷し酒





|

« 車座って何だ? | トップページ | 白犬はいかにして黒犬となるか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/118203/65932883

この記事へのトラックバック一覧です: 足袋と職人:

« 車座って何だ? | トップページ | 白犬はいかにして黒犬となるか? »