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2014年2月21日 (金)

「けずる」と「はつる」

2月21日(金)

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 マンサク?

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 温室のブーゲンビリア

 いずれの写真も、昨日、智光山公園で撮ったもの。

 今日の午後、ボランティア団体連絡会の世話人会に出席。

「けずる」と「はつる」

 昨日「シャベル」と「スコップ」について書いた、続きのようなものです。

 「けずる」のほうは、かんなで板を削る、小刀で鉛筆を削るの「削る」で、誰にも分かる。「はつる」のほうは、一部の職業の人に使われる言葉で、知っている人の少ない言葉と思います。

 たとえば建築現場で、打ち固めたコンクリートの一部が不要になったり、はみ出したコンクリートを除くときに、たがねと大きな玄翁で叩き削ることがあります。これを「はつる」と言います。鋳物を作る工場でも、「はつる」と言う言葉があるそうです。何かを叩き削る必要があるのでしょう。木工関係では、手斧(チョウナ。一字であらわす難しい漢字はあるのですが、今はこの字を使うことが多い)で木材を叩き削るときに「はつる」を使います。

 とは言うものの、木工関係で手斧を使うのは、ごく限られた職種でしょう 。私の現役時代は、琴を作っていたわけで、3種類の手斧を使いました。建築現場の手伝いをしたときに、その中の最も小型の、片手で使う手斧を使っていたら、現場の職人たちが珍しがって、わざわざ見物に来ました。当時でも、それほど珍しいものになっていたのです。ある博物館で、手斧の使い方の解説を分かりやすくするため、専門家に頼んで描いてもらったと思われる、色つきのきれいな絵がありました。しかしその絵は明らかに間違った使い方で、そんな使い方をしたら、怪我がさけられないような絵になっていました。係員に注意してその絵を撤去してもらったことがあります。

 手斧を使う姿は、一般の人にはそれほど珍しいものになっている。コンリートを「はつる」のは、たぶん今でもあると思いますが、鋳物屋の方はどうなのかなあ。宮大工などは、今でも手斧を使うのではないかな。

 しゃれた料理屋などで、梁や柱の表面を手斧仕上げにして波打たせている場合がありますが、あれは機械でやっています。

 ところで、この「はつる」ですが、漢字で書くと「削る」になるのです。ただ削るのと、叩き削るのでは、かなり意味が違うし、言葉も違うのに、漢字は同じです。これは、字を扱うのがインテリの仕事だからではないかと私は思っています。「はつる」などという動作は、インテリの目には届かなかったのでしょう。

 これとは逆に、ほとんど同じような意味なのに、わずかな違いを捉えて、違う字を使う場合は、結構多い。たとえば、坂を上る、山に登る、煙が昇る、など。そういえば、髭を剃るといいますが、これだって、削るに近いのではないでしょうか。

 インテリの眼の届くところにあれば、表現は細やかになり、遠くなれば荒っぽくなると言うことではないでしょうかね。

 行きがかりだから、ついでに書いてしまいましょう。俚諺、ことわざなどと言うものも、多くはインテリによって作られたと思います。たとえば「柳に枝折れなし」と言うのはどうでしょう。この場合の柳は、しだれ柳でしょうね。「柳は風に逆らわず」で、だから風では折れない。雪なども細枝に積もれないから、「柳に枝折れなし」などとどこかのインテリが言ったのでしょう。ところがじっさいの柳は、枝折れがあるのです。太枝が折れるのです。柳は案外もろい。本当に柳のことを知っていれば、そんな俚諺は作られなかったはずです。今度の雪でも、どこかで枝折れしている柳があるでしょう。

 言葉はインテリがいじるけれども、時には逆の場合もあります。「蝶番」と書いて、なんと読むでしょうか。「チョウツガイ」ですよね。扉の吊り元につく金具のことです。でも「番」と言う字を「ツガイ」とは読みにくいですよね。だから、家具屋や建具屋は「チョウバン」と読むのが普通です。本当は「チョウツガイ」だなどと知らない人もいます。さらに近頃はホームセンターなどでも「丁番」などと書いて売っています。いずれ「チョウツガイ」などという言い方は消えていくのではないでしょうか。

      寄せられて雪の嶺ある舗道かな

 


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