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2010年5月26日 (水)

大八車はふんどしで曳け

5月26日(水)

いつもパソコンにむかって、なにを書くか迷うのです。でも今日は「お客様、商品をお持ちください」と言うタイトルで、書くことを用意していました。でも、いつも見ているブログやホームページを見ているうちに、考えが変わりました。

清水哲男の『新.増殖する俳句歳時記』というのを毎日見ています。以前は「新」の字がない『増殖する歳時記』でした。清水哲男という詩人が毎日書いていたのですが、今は清水哲男は月曜日だけになり、他の曜日は、それぞれ担当の人がやっています。今日、水曜日は、八木忠栄という詩人(だと思います)の担当です。今日の句は、

 五月雨ややうやく湯銭酒のぜに  蝶家楼馬楽

でした。蝶家楼馬楽は落語家。「やうやく」は「ようやく」、「ぜに」は小銭のこと。「湯銭」というのは公衆浴場(風呂屋)の入浴料。つまり、風呂代や酒代に苦労していたが、そのくらいの小銭が手に入った、と言うことです。

この句を見て、今日のブログの内容を変えました。

私の琴作りの親方は、毛木乾三(モギケンゾウ)という人です。よく大ボラ吹きと云われていました。自分を褒め、他をけなすわけです。しかし、「俺は自分で出来ることを言っているんだからかまわない」と、意気軒昂たるものがありました。

琴の形は、外側には決まった寸法がある。音の違いは、内側の削り方で決まります。内側は、厚いところもあり薄いところもあります。波打っているのですね。ことの本体は桐の木で作りますが、木目とか節とか、木の堅さとかで、事情が1本1本違う。その木に合わせた削りが必要なのです。

大方の琴職人は、この辺は何分、のの辺は何分、と、勘で決めて削る。この場合の「分」とは1寸の10分の1,3ミリくらいのことです。毛木さんの自信は、その厚みを決める際に、上から指で叩いてみて、そのひびきを聞いて決める、と言うことにありました。これも勘ではありますが、音を決めるのに音の勘によるのです。私は、毛木さんの方法が正しいと思います。

ところでその毛木さんのことを、今日の『新・増殖する俳句歳時記』で思い出したのです。毛木さんは一人前の職人として琴を作っていたのですが、もっと腕を上げたいと思って、当時名人と言われていた片山さんに弟子入りしました。弟子入りするときの言葉が「風呂銭と床屋戦だけ呉れればいい」と言うことでした。この風呂銭、湯銭ですね、これで思い出しました。

そんな毛木さんですが、戦争中や戦後では、琴も満足に作れません。さまざまな仕事をしたようですが、引っ越しや疎開の荷物を、大八車で運ぶ、と言うようなこともしました。

その時の話しです。大八車に荷物を積んで、往復2日くらいのところにも行ったようです。その時の経験を語ってくれたことがありました。その話しです。

「長い時間車を曳くときは、ふんどしでなきゃあ駄目だ。サルマタ(パンツのこと)だと、キンタマが擦れる」

ところで、近ごろ観光地では、人力車などを見かけますが、その車夫は、なにを履いているのでしょうか? ふんどしかな? サルマタかな? それとも・・・。

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