« 車椅子の会新年会 夏みかん | トップページ | ビヤ樽 »

2010年2月 7日 (日)

影隠し地蔵縁起・16

2月7日(日)

影隠し地蔵縁起 第16回

     ~風は見ていた~

首塚・2

 義宗は、通りかかる2人の武将に声をかけた。

「そこの二人、その首を置いていけ」

 二人は立ち止まって、お互いを見た。

「おぬし、何か言ったか?」

「わしは言わぬ」

「そうか。しかし、何か声がしたな」

「うん、声がした」

「そこの二人、その首を置いていけ!」

 義宗はもう一度声を上げた。

「なに? 首を置いていけだと?」

「確かにそう聞こえた」

「誰だ! 何処にいる。出てこい!」

「出てこい! 何処に隠れている?」

 二人はそこら中を見まわした。清水八幡神社の祠の中や縁の下にも目をやった。もちろん地蔵の後ろも見た。

「誰も居ないではないか」

「誰も居ない。いるのは地蔵ばかりよ」

「まさか地蔵でもあるまい」

「空耳か」

 その二人に、またも声が聞こえた。

「そこの二人、首を置いて行けと言うのが分からぬか!」

 二人は思わず顔を見合わせた。

「地蔵だ!」

 次の瞬間、二人は義興の首を放り出して、一目散に逃げていった。

 義宗はその首を持ち帰り、おときにも手伝ってもらって、近くの林の片隅に埋めた。そして石を置き、ケヤキの苗を植えて目印とした。

                    続く

|

« 車椅子の会新年会 夏みかん | トップページ | ビヤ樽 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/118203/33288003

この記事へのトラックバック一覧です: 影隠し地蔵縁起・16:

« 車椅子の会新年会 夏みかん | トップページ | ビヤ樽 »