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2010年2月 6日 (土)

影隠し地蔵縁起・15

2月6日(土)

影隠し地蔵縁起 第15回

     ~風は見ていた~

首塚・1

 更にまた150年ほどの時が過ぎた。あるときは強く、あるときは弱く、風はいつも村を巡っていた。 人間は戦をやめないのだろうか。その時もまた、戦をしていた。

 足利尊氏、新田義貞などの勢力によって、長く続いた鎌倉幕府が倒された。しかし戦はそれで終わらず、共に力を合わせて鎌倉幕府を倒した足利尊氏と新田義貞の争いが始まった。戦いはいくつもの勝ちと負けとをくり返し、最終的には、足利尊氏の勝ちとなった。

 しかし、新田義貞が討たれたあとも、その子義興(ヨシオキ)と義宗(ヨシムネ)の兄弟は、なおも抵抗をやめなかった。

 足利尊氏はその子基氏(モトウジ)を、関東の押さえとして鎌倉御所に置いた。基氏は、東北や北陸に勢力のある新田氏に供えて、一時、二瘤山の麓の村に鎌倉の御所を移した。その基氏の首を狙って、義興の弟義宗が、密かに村に隠れ住んでいた。村の娘おときと仲良くなり、おときの家に潜んでいたのである。

 しかしその義宗のもとに、兄義興が、多摩川の矢口渡でだまし討ちにあった、と言う知らせが飛び込んできた。二人の武将がその首を持って、基氏に見せに来るという。

 義宗はせめてその首を取り返したいと思った。そこで首を持った者たちが来るころを見計らって、影隠し地蔵の後ろに隠れた。義宗はおときに聞いて、影隠し地蔵が人の姿も影も隠すことを知っていたのである。

                 続く

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