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2010年1月14日 (木)

かまくら伝説・11

1月14日(木)

かまくら伝説 第11回(最終回)

Tati0009

かまくらと鎌倉

 気がつくと、慎くんは大きなカシの木の下に立っていました。隣には、雪帽子を被ったあの不思議な少年がいます。

「慎くん、よんじゃめぐり、の意味は分かっただろう?」

「うん、用心めぐり、だよね」

「かまくら、の意味はどうだい?」

「それは分からない」

「分からないかなあ。今ほこらの中にいるのは、源氏の武将たちだよね。その源氏は、のちに鎌倉を本拠地にしたんだよ。だから源氏が使ったような雪のほこらを、かまくら、って言うようになったのさ」

「ふーん、そうだったの・・・ところで、君は誰なの?」

「ぼくかい。誰でも良いじゃないか。そんなことより、君はお父さんのところへ帰らなっくちゃいけない」

 激しい雪の中で、慎くんは少しからだが浮き上がったように思いました。その時、雪のほこらを廻る道太が見えました。そして不思議な少年が、道太に吸い込まれていくのを、見たように思いました。

・・・

 雪が降ります。あたり一面を白いもやにして、雪が降りつのります。

「やあ、遅くなってごめんよ」

 ふいにお父さんの声がします。振り返ると、お父さんがかまくらから出てきたところです。

「いやあ、子どもたちに、もう1杯どうぞなんて言われて、つい甘酒を2杯も飲んじゃった。待ちどうしかっただろう」

「お父さんごめんなさい。長い間いなくなったりして・・・」

「え?」

「ぼく、道太の中に入っていたんだ」

「ドウタ? なんだい、ドウタって?」

「雪蓑を着た子供が来てね・・・」

「雪蓑だって? 昔はそんな子供もいたけれど、今はいないよ。まるで夢を見ているようじゃないか」

 慎くんはまわりを見まわしました。まわりの景色も人も、慎くんが不思議な少年と会う前と同じです。ほんとうに夢を見ていたのでしょうか、それも、おとうさんが、たった2杯の甘酒を飲む間に・・・。

 慎くんが不思議に思っていると、遠くから歌声が聞こえました。道太の声です。慎くんは目を輝かせて言いました。

「お父さん、ほら、道太がうたっているよ」

「うた? 聞こえないねえ」

 お父さんは首を傾けて言いました。でも慎くんには、かすかに、しかしはっきりと、道太の歌が聞こえるのです。

  用心めぐり

  用心めぐり

  寒鍋かけろ

  辛い酒かけるな

  甘酒かけろ

  餅を焼け

  ホーイ ホーイ

・・・

 しんしんと雪が降ります。その雪の下で、横手市はかまくら祭りの賑わいです

               終わり

きっっっっk

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