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2009年12月 6日 (日)

結核の家系を救う・2

12月6日(日)

御伽婢子・149

結核の家系を救う・2

前回のあらすじ 中山中将通親朝臣の娘が尼になったが、結核で死んだ。看病した妹にも結核が移り、痩せ衰えた。家族は養生や薬では治らぬと悟り、牛頭天王に祈願して治そうとした。病人は夢の中で、明日来る僧に治してもらえと告げられる。

次の朝、50歳くらいの出家が中山殿の門をくぐり、托鉢に来た。家の者はその僧を請じ入れ、病人の見た夢を話し、病気を治して欲しいと頼む。

「私はただ戒律を守って、托鉢修行している者に過ぎません。我が身を清く保つだけで、不浄な者に近づくようなことは出来ません」

「そうおっしゃらずに、お願いいたします。僧侶は大慈悲心で人を助け、我が身を忘れて他人のために尽くすのを本分としていると聞きます。一人の命を救うことで、まわりの者は喜びます。まして夢のお告げがあったので、こうしてお願いしているのです」

「そこまで言われては断り切れません。それでは、白絹1反をください。それで病を払いましょう」

中山家では白絹1反をその僧に差し上げた。僧は、それを受け取って帰った。

その夜、病気の姫君は夢を見た。仏像が門から入ってきて、12人の神様がそれに従っている。そしてひとつのお札で、12人の神々が、代わる代わる娘の体を撫でる。頭から足の先まで撫でまわした。すると体から白い糸筋のようなものが出て、天を指して昇っていった。

姫君が夢から覚めると、なんとなく心地よくて、気分が爽やかになり、食も進んだ。

つぎの日、昨日の僧が来て、絹に何事か書いた物を与え、跡をも見ずに消えてしまった。なんだろうと思って封を開き、中を見ると、薬師尊像の絵を墨で描いていた。

その絵を姫君の枕元に掛けて、朝夕香を焚き、礼拝して敬っていたら、病は程なく癒えた。

この僧のことは誰も知る人がなかった。多分、牛頭天王だったのだろう。仏の力の不思議を信ずることは、虚しいことではない。

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