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2009年11月 3日 (火)

生まれ変わって契る・3

11月3日(火)

御伽婢子・126

生まれ変わって契る・3

前回までのあらすじ 豊田孫吉は家の前を通った女とわりない仲になったが、女の話に依れば、孫吉は前世で、その女と共に打ち首になったのだという。女は孫吉が恋しくて、幽霊になって出てきたのだという。

前世からの縁だと知って孫吉は、ますます女が可愛くなった。

「誰にはばかることもないではないか、あんたも夜に来て朝に帰るということはやめにして、おおっぴらに、夫婦としてすごそう」

孫吉は相手が幽霊だと知っても、少しも怖いとは思わなかった。前世の縁が愛しくて、ひたすら女を愛した。

女は孫吉に碁を教え、孫吉は近辺では誰もかなうものがないほどの碁打ちになった。

女はまた、良く前世の話しをした。まるで目の前にそのありさまを見るように話すのである。

二人を打ち首にした主人の左衛門佐は、血も涙もない男で、こんなこともあった。

あるとき、左衛門佐がお付きの女房達を連れた、川の畔で遊んでいた。すると川向こうをで、美男子が二人で遊んでいる。

「あら、素敵な殿方ねえ」

などと女達は噂した。

「お前たちの中に、あのような男を夫にしたい者はいるか」

と左衛門佐が聞いたところ、一人の女が顔を赤くして、もじもじしていた。

その少し後、女房達が集まっているところに左衛門佐が来て、

「この前の男に贈り物がある。これを見なさい」

と言って蓋をした新しい桶を持ってこさせた。女房達が蓋を開けてみると、この前顔を赤くしてもじもじしていた女が、首を切られて入れられていた。

                        続く

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