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2009年11月19日 (木)

幽霊からの手紙

11月19日(木)

御伽婢子・137

幽霊からの手紙・5

これまでのあらすじ 芦崎数馬は戦のために別れ別れになった妻を捜して信長の家来佐久間信盛の陣で妻竜子に逢う。しかし妻と共に暮らすことは出来ず、憔悴して死ぬ。竜子も後を追うように死んでしまう。

竜子が亡くなって間もなく、大阪城は明け渡され、佐久間は陣を解いた。天王寺あたりも戦が止んでいくらか静かになった。昔竜子の家で使われていた弥五郎が、今では商人になって、天王寺を通った。

「そこを行くのは弥五郎ではないか」

名を呼ばれて振り向くと、数馬と竜子が立っていた。ぜひにと言われ弥五郎は数馬達の家に立ち寄った。弥五郎の話。

「数馬様のご両親は亡くなられました。竜子様のご両親は健在です。只、お二人の行方が分からないので、泣いて暮らしておられます。なぜ国に帰らないのですか」

「私たちは訳があって、自由に帰ることが出来ないのです」

「それならば手紙を書いて下さい、私が持っていきましょう」

その夜は夜もすがらふるさとの話で夜を明かした。次の朝、弥五郎は旅立ち、国に帰って竜子の親に手紙を渡した。正木夫婦は娘の無事を知って、喜びに溢れた。手紙の文字は、紛れもなく娘のものだ。

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