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2009年11月22日 (日)

邪淫の罪立身せず

11月22日(日)

御伽婢子・140

邪淫の罪立身せず

白石掃部正(シライシカモンノカミ)は鎌倉の上杉家に仕えて、足軽大将である。その子右衛門尉(ウエモンノジョウ)は23歳で、父に従って上杉家に仕えようとした。父を通じてお目見えの日も決まっていた。

右衛門尉が借りていた家には17.8の美しい娘がいて、右衛門尉は何とかして口説こうと思っていた。しかし家主が厳しくてみだりなことが出来ない。なんとかその隙を狙っていた。

そんな中で、明日は上杉家にお目見えという日の夜、家主は急用で出かけてしまい、一晩帰らなかった。右衛門尉はしめたとばかりに娘の部屋に夜這いして、思いを遂げてしまった。

右衛門尉は満足して自分の部屋に帰り、寝てしまった。すると青い服を着て烏帽子を被った男が現れ衛門尉に、

「明日必ず1千石の俸禄があるだろう」

と言った。そこへ赤い服を着た立烏帽子の男が来て、怒りを体に表し、「右衛門尉は邪なことをしたので天帝が怒っている。俸禄は得られない」

と言う。そこで右衛門尉は夢から覚めた。

つぎの日、親と右衛門尉は正装して、伺候した。そこへ上杉管領が出てきたら、なんとしたことか、右衛門尉は深く眠りこけている。

「こんな不覚な者ではとても召し抱えることは出来ない」

と断られる始末だった。父の掃部は落胆して出家してしまった。右衛門尉は、放浪の身となり、その後はどうなったのか分からない。

そのようなしだいで、何事も思うように行かないのは、自分に何か落ち度があるためなので、人をうらんではいけない。してはならないことをしたものは、官位俸禄などはかなわぬものだ。

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