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2009年11月17日 (火)

幽霊の手紙・3

11月17日(火)

御伽婢子・135

幽霊の手紙・3

前回までのあらすじ 芦崎数馬は織田信長の延暦寺焼き討ちのとばっちりで、最愛の妻竜子と別れ別れになってしまった。その行方を尋ねて佐久間右衛門の陣に辿り着き、中を覗いていると捉えられ、佐久間の取り調べを受けた。数馬は、妹を探しに来たのだと答える。

佐久間が女房達に尋ねると、確かに数馬が言うような女がいる。佐久間が寵愛している女である。数馬を兄と信じて佐久間は竜子と逢わせる。

2人は逢っても、夫婦であると言うことが出来ず、泣くより他にない。

佐久間は数馬の疲れをとるために小屋の中で1晩休ませ、次の日に尋ねた。

「おまえの妹は双紙を読み、歌も綴る。おまえもそちらの能力があるのではないか」

「私はおで修行をし、仏典の勉強をしました。歌も下手ですが作ります。字も上手とは言いませんが人に劣るようなことはありません」

「それは良い。儂は幼いころから武芸ばかりで学問手跡は出来ない。そのため、書状が来たり歌が送られたりしても、返事を出すことが出来ない。我が郎党の中にも満足に出来る者がいない。我が陣中に残り、その職に就かぬか」

「はい。仰せに従います」

さっそく数馬は、佐久間の陣中で仕事をすることになり、何事も佐久間の思う通りに行った。そのため佐久間の家来達も、みな数馬に一目置いた。

しかし数馬は、何も嬉しくなかった。妻に逢いたさに苦労を重ねてやっと辿り着いたのに、妻を一目見ただけで、同じ陣中にいると言いながら、それ以上逢うこともかなわない。やるせない気持ちで日を過ごしていた。

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