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2009年10月15日 (木)

狭山市立博物館収蔵美術品展 斧と手斧 

10月14日(水)

精障者授産施設「リバーサイド」へ行った後では、裏の霞川と、すぐ下で合流する入間川の土手を散歩して帰るのを楽しみにしている。いつも霞川の下流の方へ歩くわけだが、今日は上流へ行ってみようと思った。

でも、これは間もなく行き止まりになってしまいました。リバーサイドから1キロ歩くかどうかと言うあたりに、霞橋があり、その先は川岸も個人所有になっているようです。

帰ってから地図を見ると、もっと上流へ行けば、また川岸を歩けるとろがあるようですが、そこは車道になっています。そのうちいつか行ってみるかどうか、車道ではね、という気持ちもあります。

帰りに稲荷山公園の博物館に寄りました。収蔵美術品展をやっていたからです。

横山大観の富士、藤田嗣治の風景画2点、河鍋暁斎が板に描いた絵2点、などがありました。その他、いくつかありましたが、不勉強で他は名前を知らない人でした。

常設展示もあり、そこの石器の斧が目にとまりました。

Tati0009_3

まあこんなような物ですが、これを見て今から35年くらい前に行ったタイの貯木場の労務者が持っていた道具を思い出しました。これとそっくりだったのです。但し、刃は石器ではなくて、鉄でしたけれどね。矢印の方向に刃をねじると、刃の向きは斧のようにもなるし、手斧 のようにもなるし、その中間にもなるという物でした。原始的といえば原始的ですが、融通無碍の便利さはあると思いました。

斧は知っていると思いますが、手斧という道具についてはどうでしょうか?Tati0011

Tati0010

左が斧、右が手斧です。手斧 は斧の刃を90度ねじった形、鍬の向きに刃がついています。絵の導入、ちょっと失敗しました。手斧にも種類は沢山あります。上の手斧は特殊な物で刃に重みを付けるため、刃の上に樫の台が付いています。普通の手斧は、次のような物です。

Tati0012_2 昔、今のような鉋(台鉋といいます)がなかったころ、槍鉋という物を使って、板の表面を削りました。まだ縦挽きのノコギリがなくて木を裂いて板を作っていた時代です。その板を手斧でほぼ平らにし、その後で槍鉋を使って仕上げていたのです。

槍鉋についても説明しなくてはいけないのですが、刃に反りを持たせた、なぎなた状の物で板を削ったのだと思ってください。

Tati0014 私のイラストは、実物を見ながら書くのではなく、イメージで書いていますから、正確ではありません。槍鉋も立って使う物から座って使う物まで、いろいろな種類があります。三味線職人が使っている「なまずり」なども槍鉋の一種といわれますが、小刀ほどの大きさです。

昔の大工は誰でも手斧を使ったのだろうと思いますが、今では使う人はほとんどいません。そのためか、手斧を非常に危険な道具のように思うようです。手斧を使った人も、そう言って人を驚かすのです。しかし、正しい使い方をすれば、特に他の刃物より危険と言うことはありません。刃物はみんな、危険といえば危険で、庖丁だって、指を切ることがあります。私は長年手斧を使ってきましたが、手斧でけがをしたことはありません。

テレビの時代劇などを見ていると、よく薪を割るシーンなどがあります。その場合、必ず薪を台の上に立てています。太くて、下が平らで台の上に載せられる木ばかりならばいいのですが、実際はそうは行きません。

Tati0013 そんなときは図のように薪を寝かせて足で押さえて割ったものです。私の絵が下手なので斧を勢いよく振り下ろしたようには見えませんが、割るのですから、実際にはもちろん勢いよく振り下ろすのです。自分に向かって斧を振り下ろすのですから、随分危険そうです。しかし、振り下ろしそこねて薪をはずれても、斧は薪の下の横の木に当たります。正しい使い方をしている限り、けがはしないのです。でも、危険そうなので、テレビではこんな薪割りはしないのでしょうね。

なお、手斧で木を削ることを「はつる」と言います。「はつる」を漢字で書くと「削る」に成ります。はつるとは叩き削ることであって、鉋や小刀でなめらかに削るのとでは、意味あいが違います。それなのに同じ漢字を使うのは、漢字を扱う人達、インテリの注意を惹かなかったからだろうと思います。

漢字を扱う人達の注意を惹けば、煙が上る、山に登る、噂に上る、日が昇る、などと同じように、違う漢字を当てたはずです。まして、「削る」と「はつる」音が違うのですからね。

                    

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