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2009年10月11日 (日)

イモリの化け物・3

10月11日(月)

御伽婢子・108

イモリの化け物・3

前回までのあらすじ 塵外首座という僧が越前の山の中に住んでいた。ある夜、勉学中の首座のもとに、身の丈15-6センチの人間が現れ、机の上に飛び乗った。首座はそれを扇で払いのけたところ、その仕返しとして、大勢の小人が首座を襲い、逃げ出した首座は捕まってしまい、危うく手足を切られるところだった。首座は謝ってなんとか許してもらった。

首座は這々の体で庵に戻った。

不思議な事件だったので、翌日、昨日逃げたあたりを調べてみた。すると東の方に、多くのイモリが出入りする穴を見つけた。

首座は大勢の人をやとって、その穴を掘り返してみた。3メートルばかり掘り進むと、2万匹ものイモリがいた。中には30センチくらいの大きなイモリもいた。これが大将なのだろう。

村の年寄りが語るところに依ると、「昔、瓜生判官(新田義貞に味方し、戦死した・・・ぼんくらカエル註)と言うものがここに城を構えていた。弟の義鑑坊というものが新田義治(新田義貞の甥)に思いを寄せ(つまり男色です)共に戦い戦死した。その義鑑坊の亡霊がイモリになった」という。

それ以来いろいろ悪さをするらしい。そこで首座は一文を書いてイモリに向かって読み上げた。理非善悪の道理を知りなさい。義鑑坊と言う仏に仕える身になりながら、イモリとなって人々をたぶらかすのはなんとしたことであるか、早く正道に立ち帰れ。

首座が一文を読み上げると、数万のイモリがみな死んでしまった。人々は不思議に思ったが、そのままにもできず、イモリの死骸に柴を積み上げ、みな焼いて灰にした。その灰を集めてイモリの墓を作った。

以後、怪しいことは起こらない。

                         終わり

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