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2009年8月 9日 (日)

横瀬町散歩とカタカナ語 霊魂と契る・3

8月9日(日)

Tati0009

秩父の横瀬町の散歩。散歩と言っても、たいして歩いたわけではなくて、ウオーター・パークでスケッチをして、武甲の湯に入って帰ってきただけ。それにしても、「水遊び公園」とか「親水公園」とでもすればいいのに、「ウオーター・パーク」なんて名前を付けるのは、どういう神経なのかねえ。

何の意味もなく、カタカナを言いたくなるのが、時代の雰囲気なのですね。白状しますが上の段で「なんて名前を付ける」と書いたとき、私の頭には、「ネーミング」という言葉が最初に浮かびました。私もカタカナ語に毒されていると、時々思います。

漢字は日本語を豊かにしました。大和言葉だけではわれわれは自分の考えや経験を表現できないでしょう。理論的な文章も書けないでしょう。

カタカナ語は、日本語を豊かにしていると言えるのだろうか。学術論文などでは、どうしてもカタカナ語が必要なこともあるのでしょう。しかしそれだって、日本人相手に書く場合には、何とかして日本語に訳す努力をすべきではないかと私は思います。

今の人は、カタカナで表現する方が格好良いと思っているんだよね。戦前の人が、庶民には分からないような難しい言葉や漢字を使うことが、格好良いと思ったようにね。

文章でも講演でも、わかりやすさより、なんだかよく分からないけれどもなんとなく良さそうだ、と感じさせるのが良いんだね。受け取るわれわれの方も、理解して動くよりは、なんとなく、感じで動くことの方が多いからね。

スケッチは、ウオーターパーク。

御伽婢子・71

霊魂と契る・3

前回までのあらすじ 小山田記内は家の前を通る美人と懇ろになる。やがて女が記内の家に来て忍び会う仲になった。半年ばかりする内に、女は昼間も公然と記内の家にいるようになった。

ある夜、いつものように女は来たが、どうにも浮かない顔をして、涙ぐんだりしている。

「どうしたの?」

記内が聞けば、

「もう、別れなければならなくなりました」

と答える。

「何だって! いついつまでも心変わりしないと誓った仲なのに、なんでそんなことを言うんだ」

「今はもう隠しておけません。本当のことを言います。実は私、3年前、17歳で死んでいるの。霊魂がこの世に残っていられるのは、3年間に限るの。明日はその3年目。もう会えないわ」

と泣き伏した。記内は相手が幽霊だったと知っても、何の恐ろしさも感じず、ただ別れの悲しさのみがつのる。

女は白銀の盃を形見として渡し、

    面影のかわはらぬ月に思ひでよ

        契りは雲のよそになるとも

二人が愛し合ったことは雲の彼方になってしまっても、月を見たら思いだしてね、と詠えば、記内はかたみに小袖を与えて、

    待ちいづる月の夜な夜な其のままに

       ちぎり絶やすなわがのちの世に

月が決まって出てくるように、私のことも忘れないでくれよと、泣き明かした。

記内が女の墓のありかを聞くと、甚目寺と答えて、女はかき消えた。

後日、記内は甚目寺へ行ってみたが、それらしい墓はついに分からなかった。

    たのめこしその塚野辺は夏ふかし

        いづこなるらむもずのくさぐさ

当てにしてきたのに夏草はぼうぼうとして、何処が墓なのかさっぱり分からない。記内は泣く泣く家に帰った。それからは、女のことばかり思って、病に伏し、薬も食事もとらず、ただ女のところに行きたいと言うのみだったが、間もなく亡くなった。

                           終わり  

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