歯磨き 幽霊が夫にあって語る・1
7月1日(水)
夕方歯ブラシを買いに近くの薬局へ出かけた他は、1日中家に籠もっていた。家にいてもたいしてやることはない。数独をしたり、本を読んだり、鼻毛を抜いたりしていた。
私の知人で、1日5回歯をみがく人がいる。3度の食事の後とおやつを食べたとき、寝る前で5回。すごいねえ。真面目だなあ。歯がすり減らないのかなあ。
私は朝晩の2回位ですね。今日などは1日中家に居たのだから、5回でも6回でもみがけるんだけれど、面倒です。本当は毎食後5分以内にみがくと良いんだそうです。私はやる気はないけれど・・・。
福島にいる娘は、実務経験はないけれど、栄養士の資格を持っています。その娘がまだわが家にいて、栄養士の資格を取り立てのころ、「お父さんは栄養指導を1番しにくいタイプ」と言いました。理由は、「こっちの言うことは理解するのに、守る気がまるでない」からだそうです。
それはまあ、そうですね。そんなに健康に良いことばかりやっていられません。酒だって、休肝日を作るつもりはないし、好きなように飲んでいます。いつの日かその障害が出て、「しまった!」なんて思うのが落ちかも知れないけれど、それまでは飲むのです。
こんな日は飲む定めです冷やし酒 ぼんくらカエル
「こんな日」に限らず、どんな日でも飲むのです。
あれ? 話しが飲む方へ行っちゃった。歯磨きの話しでした。
私は1日2回歯をみがきます。しかし、朝の磨きは形ばかりの磨き方。「みがきましたよ」という言い訳のために歯ブラシを歯にあてる程度です。この間まで、夜も同じだったんですが、最近、夜だけは丁寧にみがくように心がけています。
歯や歯茎の保護のほか、気になるのは加齢による口臭です。私に口臭があるのかなあ。自分では分からないんですよね。1日5回も歯磨きをしたら、口臭が無くなるんですかね。口臭は口だけのせいではないんでしょうけれど・・・。
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御伽婢子・41
幽霊が夫に語る・1
近江に野路忠太という者が住んでいた。妻がいて、娘を1人儲けたが、生まれて半年位で死んでしまった。永禄(1558-1570)の末ごろ、仕事の都合で鎌倉に行ったが、国中が戦乱になり、帰るに帰れず、3年ほどたった。
ある夜、忠太は妻の夢を見た。妻はさくらの木の下に立って、花が散るのを見て涙を流したかと思うと、井戸の淵へ行って、中を覗いて笑った。易者に占ってもらうと、「花は風で散るもの、井戸はあの世につながるもの」という。
3日後、妻は風邪をこじらせて死んだという便りが来た。
忠太の悲しみは限りなかった。戦にかまけて帰らなかったことが悔やまれる。なんとしてでも帰るべきだった。遅きに失したが、忠太は近江に帰った。家に帰って、妻の手慣れた調度を見ても、今さらのように悲しみに襲われる。
思い寝の夢のうき橋とだえして
さむる枕にきゆるおもかげ
秋も半ばで、月は清く草むらでは虫がすだく。私がこんなに恋い慕っているのだから、せめて夢にでも出てきてくれと願って寝ても、涙ばかりでなかなか寝付けない。
夜中になって、女のすすり泣く声がかすかに聞こえた。注意深く聞いていると、何だか妻の声に似ている。もし妻が幽霊になって出てきているのなら、夫の私の前に、なんで姿を現さないのだ。この世とあの世の違いはあるけれど、仲のよかった夫婦ではないか。妻だったら、ぜひ出てきてくれ、と願った。
女の声が窓の外から聞こえた。
「確かに私はあなたの妻です。あなたがあまり嘆き悲しむので、今夜ここへ来たのです」
「心に思うことを書き連ねたり、歌にすることは出来るけれど、言い尽くせるものではない。そこにいるのなら、どうか姿を現してくれ」
「この世とあの夜では、相まみえることは出来ないのです」
と、妻の声。しかし、3年前になくなった余志子を連れて、妻の面影がぼんやりと浮かんだ。余志子とは、昔忠太に仕えていた少女である。
続く
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コメント
突然のコメント失礼致します。
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投稿: sirube | 2009年7月 2日 (木) 08時35分