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2009年7月30日 (木)

スケッチ風に 蜘蛛の鏡

7月30日(木)

Tati0009

昨日スケッチをするつもりで出かけたのに、満足にスケッチをすることが出来ずに、欲求不満になりました。そのため、デジカメで写した写真から、スケッチ風に描いてみました。

残念なのは、写真を見て描く方が、実物を見て描くより上手そうに見えてしまうことです。本当は、逆じゃなくてはいけないよね。ものの見方も描く腕も、まだまだ駄目だと言うことです。

家で描いている分には、ヤブ蚊に刺されなくて良いけどね。今でも腕のあちこちが痒いんです。

自然は大切。害虫だからと言って、むやみに退治すべきではありません。そう言いながら、ヤブ蚊ごときにいらつくこの矛盾。私はわがまま者です。

Tati0011_2

御伽婢子・62

蜘蛛の鏡

永正年中(1504-1521)のことだったろうか、越中の砺波辺りに住む人は、柴を刈り、山畑を作り、蚕を飼って生活していた。その糸を買い集め、他の土地に売りに出し、わずかな利を稼いでいる人もいた。生活のために奥山に分け入り、富士ずるを便りに谷を渡ったり、かなり危険なこともしなければならなかった。

ある商人が、深山の危険な谷の対岸に、直径1メートルもあるような大きな鏡があるのを見つけた。

これほどの鏡、一体誰が作ったのだろうか。天上の鏡がここに落ちてきたのだろうか。何とかあの鏡を手に入れて一儲けしたいものだと、その商人は思った。今日はひとまず帰り、準備を調えて、明日にも取りに来ようと心に決めて、その場所をよくのみこんで、家に帰ってきた。

妻は「そんな山奥にそれほどの鏡があるとはおかしい。もしあったとしても、危険なところへ行くべきではない。鏡を求めて命を失っては意味がない、やめなさい」と言ったが、男は聞かない。次の朝、夜が明けるのも待ち遠しいというありさまで、男は出かけてしまった。

妻はなんとも心許なく感じ、倅と使用人を連れ、3人で男の後を追った。

男はその鏡に近づこうとして岩角を伝って曲がったところで大声を上げて叫んだ。しかし一声だけで、後は静かになった。

妻たちは急いで谷におり、現場に近づいてみた。すると男は、まるで繭のように、糸でぐるぐる巻きにされ、大きな黒い蜘蛛がとりついている。妻たちは、持ってきた槍や鉞を振りかざし、突いたり切ったりしてその蜘蛛を離したが、男は蜘蛛に頭を割られ、脳味噌を食べられていた。

昔から大きな蜘蛛が鏡に化けて、時々人をたぶらかすと言うことである。

                             終わり

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