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2009年7月18日 (土)

無題 伊勢兵庫仙境に至る・1

7月18日(土)

つばさ俳句会例会。来月の俳句大会の相談なども。

夜、ベランダから、川越の花火を見る。入間川縁の市場で挙げているらしい。

御伽婢子・54

第6巻 伊勢兵庫仙境に至る・1

      原作  浅井了意

      現代語訳  ぼんくらカエル

伊豆の国、北條氏康は関8州を手に入れ、武勇の誉れ高く、大いに勢いがあった。氏康はあるとき浜辺でつぶやいた。

「昔、鎮西八郎源為朝(チンゼイハチロウミナモトノタメトモ)が伊豆に流されたとき、沖に飛んでいく鳥を見て、この先にきっと島があるに違いないと思った。そこで舟を出して行ってみたら、鬼が住むという島にたどりついた。これは今でいう八丈島だ。その後、誰も八丈島に行ったという話を聞かない」

そして言った。

「誰か八丈島に行って、島の様子を見てくるものはいないか」

坂見岡紅雪と伊勢兵庫頭の2人が進み出て、

「われわれが行ってきましょう」

と、簡単に引き受けた。両名にはそれぞれ大船が与えられた。両名は漕ぎ手を付けてもらい、吉日を選んで、沖に向けてこぎ出した。伊豆の沖には7つの島があるという。どの島かは知らないが、一つの島に近づいたとき、風が変わって波が高くなり、船の自由が利かなくなった。

紅雪の方は、どうやら島にたどりつき、運良くそこが八丈島だったので、島の様子を見聞して帰った。

兵庫頭の方は更に南に流されて、10日ばかりたったところで、風も弱まり、ある島に流れ着いた。島の様子を見ると、宝石のような岩石がそばだち、奇岩、奇石など日本では見ることの出来ないような物ばかりだ。草木も見慣れないもので、たわわに実を結んでいる。

20歳ばかりの色の白い若者が磯に出ていた。頭に羅の帽子を被り、草木で作った着物を着て、花の靴を履いている。姿は中国人に似ているが、言葉は日本語である。

兵庫頭をみて、

「どこから来たのか」

と聞く。兵庫頭はありのままに答えた。

「ここは滄浪の国です。日本からは3000里ほどはなれています。観音浄土、補陀落世界も近いのです。淳和天皇の時代、橘三千代皇后の仰せで恵萼僧都がこの島に来たと伝えられています。わざわざ日本からここまでこられたのでは、さぞかし疲れたでしょう。わが家で休んで行きなさい」

兵庫頭は言われるままにその家に行った。主は、菖蒲の酒や花のしべで造った酒などを勧め、兵庫頭は玉の盃で数杯を重ねたところ、神気はまことに爽やかになった。

                     続く

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