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2009年6月24日 (水)

科学は信仰? 地獄を見てよみがえる・2

6月24日(水)

われわれにとって、科学は信仰なの?

私は何の宗教も信じていない。だから、残念ながら死語は灰になるだけだと思っている。魂も、思想も、私の経験も、死んでしまえばすべてはパアだ。私程度のものはそれで良いのだけれど、アインシュタインも、ゲーテも、その意識自体を残すわけにはいかなかった。発表されたものから、彼らの知識や思想をある程度は受け取れるけれど、彼らの思想や意識その物を受け取っているわけではない。

たとえば私は、アインシュタインの「相対性原理」なんて、何にも分からない。それどころか、地球が太陽を回っていると言うことだって、証明しろと言われたら、証明することが出来ないのだ。それなのに、アインシュタインの言ったことは正しいのだろうし、地球が太陽のまわりをまわっているというのも正しいのだろうと思っている。

これって、信じているだけなんですね、自分で証明できないのだから。私は天国も地獄も、最後の審判も信じないのに、地球が太陽のまわりをまわると言うことは信じています。なんでだろう。宗教の信じ方と同じような気がします。私は科学と言う宗教を信じているかな。

科学と宗教の違いなんて、私にはよく分かりません。多分、検証可能なのが科学だと思います。たとえば地球が太陽のまわりをまわっていると言うことは、私での天文学の勉強をしてきちんと観察をすれば、同じ結論を得られるのだろうと思います。だけど、「相対性原理」とか「ビッグ・バン」などについては、私の能力で、果たして理解できるかどうか怪しいものです。ただ、優れた頭脳を持つ人達が、検証をして、その通りだと言っているのだから、正しいのだろうと思っています。

宗教の場合だと、最後の審判と言われても、検証可能な方法がありません。あの世から帰ってきた人もいないし、検証を抜きにして、信じるとか信じないとか言うしかないんです。

時々、名声を得たいためなのか、何か新しい発見をしたと論文を書いて、他の人が検証しようとしても出来ずに、偽論文だった、なんていうことがおきますね。そういう人は、科学の分野でやったからいけないのです。宗教の分野だったら、やみくもに信じる人が出て、新興宗教の教祖になれたかも知れません。

御伽婢子・34

地獄を見てよみがえる・2

前回のあらすじ 鎌倉に浅原新之丞という者が住んでいた。儒学の心得があり仏法を馬鹿にしていた。その隣に孫平という者がいて信心もなく無駄な殺生をするような男だった。その孫平が死んで、妻子は大金をはたいて仏事を行った。その功徳で孫平は生き返った。その話を聞いて新之丞は、この世ばかりでなく、あの世も金次第だと笑った。

さて、新之丞は家に帰り、灯りをつけて座っていた。そこへ2人の鬼が来て「閻魔の使いだ。こちらへ来い」と、新之丞の両手を掴んで外へ引きずり出した。

歩くでもなく、飛ぶでもなくしばらく行くと、役所の前に来た。閻魔大王の裁きの場らしい。奥の中央に大王が座っており、冥官達もその脇に侍っている。2人の鬼は新之丞をその屋敷の前の庭に引きずり出した。

大王は、怒って言った。

「おまえは儒学を修めたが、深い道理も知らずに仏法をおとしめた。その舌を抜かなければならない」

新之丞は平伏しながら言った。

「私は何も悪いことはしていません。儒教の教えを守って、君臣父子夫妻兄弟朋友の道を守ってきました。仏道は習いませんでしたが、だからといって地獄におとされる理由はないと思います」

「われわれにも感情はある。おまえは、地獄の沙汰も金次第、などという歌を詠んだではないか。言いたいことがあれば、申してみよ」

「畏れながら申し上げます。太古には中国に仏法は知られていませんでした。後漢の時代仏法が伝わり、天国や地獄と言うようになりました。それより万物に霊が認められ、奇跡も起こります。人々はこれに溺れ、ものの道理を失いました。罪を犯しても悪いとも思わず、強いものは弱い者をいじめ、金持ちは貧乏人を侮ります。親を親とも思わず、君を君とも思わない。義を知らず、恩を忘れ、どん欲に財宝を求め、仏事ばかりは金を掛けて盛大に行う。仏事さえ盛大に行えば、罪を許され天国に行けるというのであれば、貧乏人には立つ瀬がありません。そのため、あの狂歌を詠んだのです。その気持ちを察して下さい」

「なるほど、おまえの言うことももっともだ。おまえにそんなことを言われるのも、孫平を娑婆に帰したからだ」

大王は冥官の方に向き直り、

「孫平をもう一度ここへ連れてこい。新之丞は娑婆に帰してやれ」

と言った。

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