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2009年5月10日 (日)

竜宮の棟上げ 2

5月10日(日)

御伽婢子 通算 2回

竜宮の棟上げ 第2回

前回のあらすじ 琵琶湖のほとりに隠れ住む真上阿祈奈君は、竜宮からの使者に連れられて不思議な馬野のり、雲の上を飛んで立派な門のところまで来た。

エビの頭にカニの甲羅を持ちハマグリの兜を被った者達が、槍や長刀を持って門番を務めていた。門番達は真上を見ると、皆ひざまづき、頭を垂れて迎えた。

真上は案内の者に導かれて門をくぐり、50メートルほど進むと、水晶の宮殿があった。階段を上っていくと、美しい雲の冠を被り、飛び行く雲を剣にした竜王が笏を持って真上を迎えた。竜王は真上を白い玉の床に座らせた。

真上はかしこまって、

「私は日本国の平凡な人間です。いずれ草木と共に朽ち果てる身です。なんで神王に上客としての扱いを受けるのでしょう?」

と聞いた。

「あなたの名前は、前から聞いていた。今日初めてお迎えしたが、遠慮するにはおよびません」

竜王は自らも七宝で飾られた玉座に座った。

そこにまた来客があり、竜王は階段まで迎えに行った。

客は3人で、いずれも、まるでこの世の人とも思えないほど、気高い様子である。玉の冠を戴き、錦の袖を抑え、威儀を正して静かに殿上に登り、床に座った。真上は驚いて、下座に移動した。竜王は3人の客に、

「今日は人間世界の学者を迎えた」

と、真上を紹介する。真上は深々と頭を下げて言った。

「私は人間世界の小臣です。卑しい人間が、なんでこのような高貴な方々と、席を同じくすることが出来るでしょうか」

3人の客は言う。

「人間界と竜宮は通路が耐えているけれども、竜王の人間を見る目は確かである。竜王が迎えた以上は、ただの人ではない。遠慮は無用である」

真上がもとの場所に座ると、竜王が言った。

「このたび私は新しい宮殿を造った。玉の礎、虹の棟木、何もかも備わっているけれども、足りないものは祝いの言葉である。真上殿は学識深く、徳高い者であることは紛れもない。そのために今日はわざわざ招いたのである。私のために、一編の祝言を書き給え」

                        続く

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