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2008年11月22日 (土)

トンボ

11月22日(土)

トンボについて書いてみます。

私が子供の頃、もっともなじみのあった昆虫といえば、それはトンボです。蝉も蝶も、ばったも蜘蛛も蜂も、なじみはありました。しかし、もっとも馴染んだのはトンボだったような気がします。

トンボというのも、種類が多いですね。馴染んだと言っても、細かい種類などは分かりません。

春先から現れるのが、シオカラトンボやムギワラトンボ。ムギワラトンボはシオカラトンボの雌と聞いたけれど、ひょっとしたら雌雄は逆かな。

秋に現れるのが赤とんぼ。本当はナツアカネとアキアカネがあるのだそうだ。しかしながら、名前の違いは、現れる時期の違いではないらしい。素人には、見分けるのが難しいという。

ヤンマ類はあこがれのトンボだった。オニヤンマ、ギンヤンマ、何とかして捕まえたいと思ったものだ。

水辺にはおはぐろトンボがいた。そのほか、糸とんぼというのもいましたね。

シオカラトンボは、木ばかりではなく、石の上や地べたに羽根を伏せてとまった。捕まえようと思っても、敏捷ですぐ逃げてしまう。運良く捕まえたときには、尻尾をちょん切って、代わりにムギワラを差し込んで飛ばしたりした。それでも、不器用な飛び方で飛んでいく。あれは、死んでしまうのでしょうね。残酷なことをしたものです。

ヤンマ類もななかなか捕まりませんでした。里では上空を飛ぶのに、山などへ行くと、膝の高さくらいのところを飛んでいたりします。しばらく向こうへ行ったかと思うと、くるりと向きを変えて戻ってきたりします。あれは自分のテリトリーをパトロールしているのだそうですね。

  オニヤンマ部屋の偵察終えて出る  ぼんくらカエル

こんな句を作ったことがあります。句会では、

「推理小説の読み過ぎだ。雀でも蛙でも、間違って部屋に入ってばたばたして出て行く。偵察などというものではない」

といわれました。でも違うんですね。トンボはばたばたなんかしません。たとえば窓から入ってきたとすれば、入ったときと同じ高さを維持したまま壁から1メートルなら1メートルくらいの距離を保ちながら、ぐるりとひとまわりして同じ窓から出て行きます。まるで、予定の行動だったといわんばかりです。トンボがそんな行動をとれるのは、きわめて目が良いからだそうです。評者はそんなトンボの性質を知らなかったのだと思います。

おはぐろトンボや糸とんぼは、捕まえやすいトンボです。とまるとき羽根を背中の上に合わせてとまります。

おはぐろトンボほどではなくても、赤とんぼも捕まえやすいトンボでした。秋口の強い風が吹いた次の日などは、大量の赤とんぼが里に飛んできました、文字通り歩いている人の顔にぶつかるほどでした。

  夕焼け小焼けの赤とんぼ

  負われて見たのはいつの日か

三木露風作詞の有名な歌。この「負われて」を「追われて」と思っている人がいるんですね。無理もないと思います。ボランティア先の老人介護施設の手づくり歌集でも「追われて」となったいました。

しかし詩の意味は「背負われて見た」と言うことです。知っている人にとっては、何を今さら、という解説ですけどね。誰に背負われたかと言えば「姐や」にです。「姐や」とは子守のことです。

昔、貧しい家の女の子は、まだ子供のうちから、子守に行かされたんですね。「五木の子守歌」にしろ「中国地方の子守歌」にしろ、唄っているのはその子守です。だから日本の子守歌は悲しい調べが多いのだとも言います。

しかし、子守と背負われた子供の絆は、時には非常に強いものがあって、数々の文学作品になったりしています。

私は今71歳ですが、私の時代にはもうそのような子守はありませんでした。私の親の世代ですね。私は知識として知っているだけです。

しかし、三木露風はませていましたね。子守に背負われて見た赤とんぼを覚えているのですから。

  15で姐やは嫁に行き

  お里の頼りも絶え果てた

今では考えられないけれど、その頃は15歳にもなれば、嫁に行ったりしたのです。私の祖母は、別に子守をしたわけではありませんが、15歳で嫁に来たと言います。当時は数えですから、今でいうなら14歳です。

  夕焼け小焼けの赤とんぼ

  止まっているよ竿の先

なぜなんでしょうか、赤とんぼは、竿の天辺みたいなところに良くとまります。これは蝉などにはない習性です。

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