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2008年8月 3日 (日)

天狗にとられた子の物語

8月3日(日)

天狗にとられた子の物語・1(狗波利子・通算53回)

慶長の末の年(1610年)伏見の木幡の人、彦七という者が藤の社に住んでいた。明神で、くがだち、神楽などをすれば、彦七は太鼓を叩き、守の御託宣を伝えたりした。

次郎という子供がいて、少し知恵遅れだったが、正直者で、掃除や落ち葉かきをしていた。暇があるときは近所の子供と遊んでいたが、ある時、不意に行方不明になった。

親は悲しがって、稲荷山の奥、霧が谷、霞みの谷まで探したけれど、ついに見つからなかった。

それから5年も過ぎて次郎が帰ってきて、大きな松の木に登っていた。彦七がそれを見つけて家に連れて帰ったが、そのありさまは、まるで山猿のようであった。頭髪は、荒れ野の草木のようにぼうぼうと生え、手足は汚れ、口もきかない。

母は次郎の頭や体をお湯で洗い、口に合いそうなものを食べさせ、面倒を見ていたら、10日ほどして、人心地がついたのか、次郎は物を言い出した。

近所の人も集まってきて、行方知れずになっていた間のことを、次郎にあれこれと聞いた。

以下は次郎の話しである。

                      続く

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