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2008年8月13日 (水)

杉田彦左衛門天狗に殺される・1

8月13日(水)

杉田彦左衛門天狗に殺される・1(狗波利子・通算61回)

    原作・浅井了意   現代語訳・ぼんくらカエル

武蔵の国榛沢の郡に杉田彦左衛門という者がいた。気が強く、ものに動じない性格だった。

20歳の頃から月に3度、日光の今市の市日には必ず出かけていた。そして帰りには、山賊になって、道行く人を追い倒し、財物を剥ぎ取ったり、打ち殺したりしていた。そのため、家は豊かで、家族、使用人など17・8人はゆるゆると暮らし、不足することはなかった。

ある年の9月、今市から馬に乗って帰る途中、日光山の孫太郎という天狗にあった。孫太郎は背の丈3メートル近い山伏に化け、彦左衛門の行く手を塞いだ。馬は身震いをして立ちすくんだ。

彦左衛門は刀を抜く構えをして束に手をかけて言った。

「お前は日光の孫太郎だな。その道を開けろ。馬を通せ!」

山伏は退いたが、

「今は退く。しかし、来年の4月15日に、必ずお前の命をいただく」

と言って、たちまち姿を消した。

彦左衛門は元来がものに動じない性格だから、そのまま馬にむち打って宿に帰った。

しかしながら、何となく怖れをなして、日光へは、それっきり行かなかった。

次の年の2月の末ごろから、彦左衛門の気分は優れず、病に伏した。そうこうするうちに4月になり、病は重くなった。

15日になると甚だしく苦しみ、高熱になり、狂乱のうちに彦左衛門は死んだ。

                           続く

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