« メールトラブル | トップページ | トラブルいろいろ »

2008年7月15日 (火)

常田合戦甲州軍兵幽霊・4

7月15日(火)

常田合戦甲州軍兵幽霊・4(狗波利子・通算38回)

(前回までのあらすじ・上求寺の住職頼胤は大変な名僧である。武田信玄は深く帰依し、戦の前には必ず祈祷をした。地蔵峠の戦では、武田軍、上杉軍双方に多大の犠牲者が出た。戦のあった夜、双方の軍兵が上求寺に押し入りその庭で入り乱れて戦った)

武田の館の留守居役、典廐信繁、穴山伊豆守手の郎党、同心、被官など300人、太刀や長刀をもち、馬を引き連れて、闇夜のくらい中を上求寺に駆けつけた。門の内では、激しい戦の音がする。門をこじ開けて、松明を灯し庭に入ってみると、1000人くらいの者が戦っていたと思われるのに、雪や霜が消えるように、一同皆消え失せて、ただ、松風の音ばかりである。

頼胤阿闍梨は、あまりの不思議さに、寺の戸を開き、典廐や穴山に会い、ことの始終を物語った。

話の内容は、ただごとではないと思われた。典厩たちは、味方が負けたのかも知れないと思った。拳をにぎり、肝をひやし、館に帰って、これからの戦い方などを、夜もすがら語り合った。

明け方に飛脚が到来し、館はやっと静まった。

討たれた敵も味方も、怒り、高慢、業因にひかれ、こんな苦しみを受けるのであろう。この世の掟に従って生きる迷いのありさまは、まことに悲しいものである。

やがて信玄が帰陣し、敵味方の討たれた者のために、上求寺において仏事を営んだ。僧衆を供養し、7日間経を読み、跡を弔ったので、その後は幽霊のでるようなことはなかった。

                   終わり

|

« メールトラブル | トップページ | トラブルいろいろ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/118203/22317242

この記事へのトラックバック一覧です: 常田合戦甲州軍兵幽霊・4:

« メールトラブル | トップページ | トラブルいろいろ »