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2008年7月10日 (木)

今川氏眞没落・3

7月10日(木)

今川氏眞没落・附・三浦衛門最後・3(狗波利子・通算43回)

(前回までのあらすじ。三浦右衛門は今川氏眞の寵愛を受けたが、氏眞が武田勢に敗れて駿府城を落ちのびるとき、主君を捨てて、1人で逃げた。しかし百姓たちに襲われ、赤裸にされてしまう)

三浦は、命ばかりは助かったが、丸裸なので、破れた菅笠で前を隠し、ちぎれた古い菰を腰に巻いて、泣きながら逃げた。夜もすがら、田の畦を伝ったり、山道を歩いたりして、手は野バラの棘でひっかき傷がつき、足は石に躓いて血が噴き出すありさまだった。

ようやくのことで三河の高天神の城に着き、小笠原与八郎に助けを求めた。与八郎は、また三浦の時代が来るかとも思い、初めのうちは、小袖、脇差しなどを与えてかくまった。しかし、今川氏眞は掛川でも破れ、小田原の落ちのび、つき従うものもいなくなったと聞き、心変わりをした。

今川の領土の一部を押さえ、三浦右衛門を絡め取った。

「お前は長年わがままを働き、人々を苦しめた。民百姓を困窮させ、おのれの意に合わなければ、同輩の侍の知行を取り上げ、職を解いた。取り柄のない者でも、へつらえば取り立て、主君をだました。お前を恨む者は多い」

さらに言葉を継いでいう。

「今はすでに、主君の運は傾いた。国は滅びようとしている。主君の恩を忘れ、自分だけが助かろうとしたことなど、神仏の教えに背き、人道にはずれる。悪逆無道の恥知らずである」

そして、人夫どもに命じた。

「こんな役立たずを生かしておいては、生きている者のじゃまである。早くあの世に送って、閻魔の裁きを受けさせろ」

と、三浦を庭に引き出した。

                           続く

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