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2008年7月16日 (水)

男郎花

7月16日(水)

男郎花(狗波利子・通算39回)

越後の国朝倉家の小姓、小石弥三郎は顔かたち世に優れ、知恵深く、物静かで、情け深い愛らしい人であった。そのために、仲間は皆可愛い人と思っていた。

足軽大将、州河藤蔵は武勇に優れた者であったが、弥三郎を思う心は強かった。

   身にあまりおき所なき心地して

        やるかたしらぬわが思いかな

ただむなしくあこがれ、何ともしようがなく、つてを頼って手紙を送った。

    蘆垣の間近き中に君はあれど

               忍心やへてなる成らん

思いが絶えれば、死ぬほどであると書いて送った。

弥三郎はこれを読んで、限りなく心にしみ、哀れの思えて返事の奥に、

   人のためひとめしのぶも苦しきや

            身一つならぬ身をいかにせん

と書き付ければ、藤蔵はいよいよ心乱れて、

   いかにせん恋は果てなき陸奥の

           忍ばかりにあわでやみなば

   もらさじとつつむ袂の移り香を

           しばし我が身に残すともがな

                      続く

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