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2008年7月 9日 (水)

今川氏眞没落

7月9日(水)

今川氏眞没落

附・三浦右衛門最後・3(狗波利子・通算42回)

(前回までのあらすじ・今川義元も跡を継いだ今川氏眞は、三浦右衛門を偏愛し酒宴遊興にふけり、武術をないがしろにした。臣下は忠誠心を失い、武田信玄に攻められ、駿府城は落城した。氏眞が掛川に落ちのびるとき、三浦はあれほど可愛がってくれた主君を裏切り、1人で駆け落ちした)

駿河、遠江、三河の間では、誰でも三浦に媚へつらたのに、積年の悪が現れて、今は身の置き所がない。身分を隠し、人に隠れ、雷の中で川を渡り、薪を背負って焼野を通るありさま。馬をせかせて通れば、

「落ち武者がくるぞ!」

と百姓たちが叫び、錆びた槍や長刀を持って走り寄る。

「われは三浦右衛門である。うかつなことをするな」

といえば、

「それならなおのこと、捕まえて日頃の恨みを晴らそう」

という。

「身ぐるみ剥いで、裸にし、恥をさらしてやれ」

また、他のものはいう。

「主人に可愛がられているのを良いことに、百姓を苦しめ、妻や子供まで身売りさせ、年貢を納められないものには拷問を加え、その報い、来世まで待つことはない、今ここで、なぶり殺しにしてやる」

口々に叫び、三浦を馬から引き下ろし、鎧かぶとから小袖までも剥ぎ取り、赤裸にした。

三浦は百姓どもに手を合わせ、

「どうか身を隠す小袖くらいは残してください」

と頼んだが、若い者たちは、

「こいつに遺すものなどあるものか、高手小手に縛り上げ、木に吊して思うままに打ち殺してやる」

という。さすがに年寄りは、そこまでしなくてもと、縄を解き、許してやった。

                      続く

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