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2008年5月16日 (金)

食べる食器  三保の仙境

5月16日(金)

食べる食器(ぼんくら日記)

かなり前、石川なんとかと言うアイドル歌手の「紅茶がおいしい喫茶店」という歌が流行ったことがある。その頃から、ゴミ問題がマスコミなどで取り上げられていた。

今は「紅茶がおいしい喫茶店」の歌詞を忘れてしまったけれど、ゴミ問題に引っかけて、戯れ歌を作ったことがある。そちらの歌詞も忘れた。

当時、私は次のような冗談をよく言った。

ゴミを減らすには食事の後で食器を食べると良い。レストランなどでは、食べられる食器を使うことが義務づけられたりして、食べ物屋では、食器をおいしく作る必要に迫られる。あそこのレストランは料理はまあまあだけど、皿が不味くて・・・などと評判が立ったりして。「箸までおいしいレストラン」なんてのが宣伝文句になったりしてさ。

その冗談に続けて「スプーンのおいしい喫茶店」などと歌って見せたりしたわけだ。

今、食べる食器が出来ているんですってね。冗談が本物になっちゃった。

三保の仙境(狗波利子1 現代語訳)

駿河の国宇度の郡三保の松原は風景が美しい名所である。

北には富士山が雲の上までそびえ、何千㍍有るか知りようもない。頂上には笹竹が生えている。噴煙の色は青く、中腹より下は小松が生い茂り、常に緑である。鹿の子まだらに降り積もる雪は、夏でも消えることはない。

浅間大菩薩が住むと云われ、中国ではこの山を蓬莱山と名付けているそうだ。

万葉集山部赤人の歌に、

  ふじのねにふりつむ雪はみなづきの

      もちにけぬればその夜降りけり

南の方は荒海である。西は宇度の山、千手観音の霊地である。田子の入り海葦高山清美が関にもほど近い。

漁師は夜もすがら釣りをし、漁り火は波を焦がす。岩に打ち付ける白波、峰を越える夕風、波打ちぎはのカモメが水に群れ遊ぶ様子、草むらの虫の声まで、とりどりに趣がある。

新古今集越前の歌に、

  沖つかぜ夜寒になれや田子の浦

     海士のもしほ火たきまさるらん

三保の松原は西より東へ海中に伸び出すこと40町あまり(1町は109㍍強)。

昔、天女が下りてきて、羽衣を松の枝に掛けておいたところ、漁師がこれを取り上げて返さなかった。天女は仕方なく、その漁師の妻になった。何年か過ぎて、漁師が羽衣を返したところ、天女は非常に喜んで言った。

「私たちが妻となり、夫となったのも、前世に縁があったからです。私は天に帰りますが、あなたには仙人になる方法を教えましょう」

漁師が惜しむ中、天女は雲の上に帰っていった。漁師は天女の教えをよく守り、ついに仙人になった。今でも富士足柄の間を行き来している。歳もとらず、不老長寿を保っている。

能因法師の歌に、

   宇度浜に海女の羽衣昔きて

        ふりけん袖やきょうのはふり子

と読んだのはこのことである。

                                完

浅井了意作、ぼんくらカエル現代語訳です。「狗波利子」の冒頭にある話です。

おなじみの話ですね。富士山の頂上に笹など生えていませんが、原文にあるのでそのままにしました。

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